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クリア塗装を外壁塗装で利用するメリット・デメリットとは?

公開:2024.07.25 更新:2024.07.25

クリア塗装を外壁塗装で利用するメリット・デメリットとは?
画像出典:フォトAC

クリア塗装は、無色透明の塗料で外壁の素材感や色合いを保ちながら保護する方法です。アクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系の塗料があり、耐用年数と価格が異なります。特に窯業系サイディングや打ちっぱなしコンクリートに適しています。

クリア塗装とは?

クリア塗装は、無色透明の塗料を使用し、素材感や色合いをそのまま活かす外壁塗装の方法です。通常の塗りつぶし塗装とは異なり、現在の外壁の色を保持しつつ、塗料の保護機能や艶出し効果を与えます。

クリア塗料は顔料を含まないため、色が付かず透明です。そのため、既存の外壁の色を維持したい場合に最適です。この透明な特性により、外壁の美観を損なうことなく保護が可能です。

◇クリア塗装の種類

クリア塗装に使用されるクリア塗料は、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系の主に4種類があります。それぞれの塗料は耐用年数が長いほど価格が高い傾向にあります。

・アクリルクリア塗料

耐用年数約5~8年で、価格は1,400~1,600円/㎡

・ウレタンクリア塗料

耐用年数約8~10年で、価格は1,700~2,200円/㎡

・シリコンクリア塗料

耐用年数約10~12年で、価格は2,200~3,000円/㎡

・フッ素クリア塗料

耐用年数約12~15年で、価格は3,800~4,800円/㎡

・その他

耐候性の高い「無機クリア」や、紫外線による劣化を防ぐUVプロテクト機能を持ったクリア塗料も存在します。

また、塗料には価格が安く扱いやすい「水溶性」と、手間はかかるものの耐久性が高い「油性」の2種類があります。価格相場は時期や地域によって変動する可能性があるため、参考値として考えると良いでしょう。

クリア塗装のメリット

クリア塗装を行った際のメリットをご紹介します。

◇下地を活かせる

クリア塗装の最大のメリットは、外壁の色や柄をそのまま残せることです。通常の塗装では元のデザインが塗りつぶされてしまいますが、クリア塗装なら本物そっくりのレンガやリアルな木目をそのままに表面を保護できます。

◇チョーキングが発生しない

クリア塗料は顔料を含まないため、紫外線による塗膜の劣化で発生するチョーキング現象が起こりません。そのため、手や服に白い粉が付く心配がなく、クリア塗装は手間がかかりません。

◇外壁に光沢を出せる

クリア塗装は外壁に艶を与え、くすんだ外壁をリフレッシュさせます。光沢を抑えた半つや消しやつや消しのクリア塗料も選択可能です。また、なめらかな塗膜が汚れを落ちやすくします。

◇工期が短い

クリア塗装は下塗り工程を省略するため、通常の塗装より工期が短くなります。塗装は中塗りと上塗りの2回で済むため、作業時間が短縮され、使用する塗料も少なく、費用が抑えられます。

◇耐久性が高い

クリア塗料は紫外線をカットし、カビやコケの発生を抑える機能を持つため、外壁材の耐久性を高めます。デザインを保ちながら、通常の塗料同様に下地を保護することが可能です。

クリア塗装のデメリット

クリア塗装を行った際のデメリットをご紹介します。

◇ひび割れなどを隠せない

クリア塗装のデメリットの一つは、ひび割れや汚れが隠せない点です。塗装前に高圧洗浄やバイオ洗浄で汚れを落としますが、完全には除去できません。

また、ひび割れなどの補修跡がクリア塗装では隠れず、目立ってしまうことがあります。クリア塗装は外壁の素材感を活かすため、これらの欠点を隠すことが難しいです。そのため、外壁の状態が良好な場合にのみ最適です。

◇色褪せを補修できない

クリア塗装は、経年劣化により元の色があせたり、色むらが生じたりしている場合、それらをクリア塗装で補修するのは難しいです。そのため、色褪せが激しい外壁にはクリア塗装は適していません。

ただし、若干の色褪せや色むらであれば、クリア塗装でも目立たなくなることがありますので、業者に相談してみると良いでしょう。

◇シーリングの上は塗装ができない

クリア塗装は、シーリングの上に塗装できません。シーリングは通常ゴム素材で、時間とともにひび割れや劣化が進みます。

通常の塗装では新しいシーリングを施し、それに塗装を行うことで保護をしますが、クリア塗料はシーリングの上に塗ると塗膜が剥がれたり収縮割れが生じたりする恐れがあります。そのため、シーリング部分の保護には注意が必要です。

クリア塗装に適したケース

クリア塗装

画像出典:フォトAC

クリア塗装は、以下のようなケースで行うと、最大限に利点を発揮できます。

◇窯業系サイディング

クリア塗装は特に窯業系サイディングに適しています。窯業系サイディングはそのデザイン性と質感で人気があり、レンガやタイル、木目など本物に近い外観を持ちます。クリア塗装を施すことで、これらの素材の自然な美しさを最大限に引き出し、外壁全体のデザイン性を際立たせることができます。


窯業系サイディングは表面加工やプリント技術の進歩により、さまざまなリアルなデザインが可能です。例えば、レンガと木目の組み合わせなど、多彩なツートンデザインが選べます。クリア塗装を選ぶことで、これらのデザインが持つ独特の魅力を損なうことなく、長期間にわたって保護することができます。

通常の塗料ではデザインの本来の美しさを引き出すことが難しい場合もありますが、クリア塗装ならば素材の質感や色合いをそのまま活かすことができます。外壁の美観を保ちつつ、耐久性も向上させたい場合には、クリア塗装が最適な選択肢と言えるでしょう。

◇打ちっぱなしのコンクリート

打ちっぱなしコンクリートの外壁はその独特の質感や耐久性から人気がありますが、メンテナンスが重要です。通常、撥水剤を使用して防水性を高めることが一般的ですが、撥水剤だけでは表面の保護が限られ、汚れやサビの発生が問題となることがあります。

クリア塗装を用いることで、打ちっぱなしコンクリートの外壁をより強固に保護できます。クリア塗料は外壁の質感を損なわずに表面を保護し、耐久年数を延ばす効果があります。

特に、撥水剤の上からクリア塗装を施すことで、防水性が向上し、汚れが付きにくくなる利点があります。


クリア塗装は無色透明の塗料を使用し、外壁の素材感や色合いを保ちながら保護効果を与える方法です。塗料にはアクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系があり、それぞれ耐用年数と価格が異なります。

クリア塗装のメリットは、外壁の色や柄を活かせること、チョーキングが発生しないこと、光沢を出せること、工期が短いこと、耐久性が高いことです。しかし、ひび割れや汚れを隠せず、色褪せを補修できないこと、シーリングの上に塗装できないことがデメリットです。

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