外壁塗装で使うフッ素塗料とは?効果や適した場所を紹介 | 山口エリア外壁塗装会社ガイド
外壁塗装の基礎知識
外壁塗装で使うフッ素塗料とは?効果や適した場所を紹介
公開:2024.11.26 更新:2024.11.26
フッ素塗料は、耐久性、耐候性、親水性、防カビ性、防水性など、多くの優れた特性を持つ高性能な塗料です。高価格ではあるものの、その長い耐用年数や低いメンテナンスコストから、トータルで考えると非常に経済的な選択肢といえるでしょう。
一方で、ひび割れに弱い点や、艶消し仕上げができないなどのデメリットもあるため、使用する場所や目的を慎重に検討することが大切です。特に、屋根や付帯部分といった劣化の早い箇所にフッ素塗料を使用することで、住宅全体の保護性能を大きく向上できます。
目次
外壁塗装に使用されるフッ素塗料とは
外壁塗装にはいくつかの種類の塗料が使われますが、その中でもフッ素塗料は、塗膜の主成分としてフッ素樹脂を含む、高性能な塗料のことです。フッ素塗料には多くのメリットがあり、住宅だけではなく高層建築にも使用されています。
◇フッ素塗料の特徴
フッ素塗料は、蛍石(ホタルイシ)を原料としたフッ素樹脂配合の塗料のことです。蛍石はフッ化カルシウム(CaF2)を主成分とする鉱物で、紫色または透明色が一般的ですが、紫外線やブラックライトを当てると光るという特徴があります。蛍石はフッ素の主要な原料で、耐久性と耐候性に優れているのが特徴です。東京スカイツリーや明石海峡大橋などにもフッ素塗料が使用されている他、フライパンなどの調理器具にもフッ素塗料が使われています。
ちなみに、フッ素塗料には「3フッ化型フッ素樹脂 」、およびハイグレードの「4フッ化型フッ素樹脂 」の2タイプがあります。
◇さまざまな優れた機能がある
フッ素塗料には親水性や防カビ性、防水性などさまざまな優れた機能があり、飛行機などにも使用されています。
・親水性
フッ素塗料は親水性で、水になじみやすい性質を持っており、塗膜とチリやほこりなどの汚れの間に雨水が入り込むと、汚れを浮かせて洗い流してくれる効果があります。このため、外壁を長期間、きれいな状態に保てます。
・防カビ性
フッ素塗料には防カビ性があるため、あまり日の当たらない北面の壁などにも最適です。カビだけではなく、防藻性にも優れています。
・防水性
フッ素塗料は、親水性が高い一方で水に強く、建物の防水性をアップさせます。撥水性が強いため、雨水が外壁に染み込みにくいのもフッ素塗料の特徴といえるでしょう。
フッ素塗料を選ぶときの注意
フッ素塗料には、いくつかのデメリットもあります。高性能な分、どうしても価格が高くなってしまいます。ひび割れに弱い、あるいはマットなツヤ消し仕上げができないといった点も、フッ素塗料の特徴です。
◇高価格
外壁塗装に使用される塗料には、フッ素塗料以外にアクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、ラジカル塗料などがあります。このうち最も高価なのがフッ素塗料で、最も安いアクリル塗料(1,500~1,800円/㎡)と比較すると2〜3倍の費用がかかってしまいます。ただし、確かに初期費用はアクリルやシリコン塗料よりも高くなってしまうとはいえ、フッ素塗料は耐久性にも優れているため、塗り替えの回数が少なくてすみます。そのため、長い目で見れば高価格とはいえない部分があります。
◇選べる塗料に制限がある
フッ素塗料の特性として、塗装するとどうしても光沢のある仕上がりになってしまいます。ツヤのあるキラキラとした外観が好きな人はよいですが、なんとなく安っぽく見えると気にする人もいるようです。フッ素塗料は、マットな艶消し仕上げを希望している人には不向きです。
◇ひび割れに弱い
フッ素塗料は他の塗料と比べると塗膜が硬く、伸びにくいため、ひび割れに弱い点がデメリットとなっています。外壁自体にひび割れが発生すると塗膜も一緒に割れてしまうため、モルタル外壁などに使用する場合には特に注意が必要です。コンクリートやモルタルなどの外壁に塗装した場合、乾燥収縮によってひび割れが発生する可能性が高くなります。また、サイディング外壁で継ぎ目にコーキングなどを使用している場合にも、ひび割れが発生しやすくなります。
フッ素塗料で期待できる効果
価格は高めのフッ素塗料ですが、さまざまなポジティブな効果が期待できるので、初期費用を多少かけても メンテナンスの楽な外壁塗装をと考えているのであれば、フッ素塗料がやはりおすすめです。
◇長持ちする
フッ素塗料の最大の強みは、何といっても耐用年数が長いことです。例えば、外壁塗料の中で最も安いアクリル塗料の場合、耐久年数は平均して5〜7年なのに対して、フッ素塗料の耐久年数は15年以上です。確かに高価格ですが、長い目で見た場合、塗り替え回数が減るため、トータルコストで見ると安く済む場合が多いのが大きな特長です。塗り替え回数が減ると、塗料費を節約できるだけではなく、足場の設置費や外壁洗浄などにかかる費用も大幅に抑えられ、経済的です。
◇綺麗な外観になる
ツヤのある塗料のため、光沢のある美しい外観になるのもフッ素塗料の特長のひとつです。フッ素塗料の原材料である蛍石自体に光沢があるため、経年劣化によってツヤが失われることもありません。耐摩耗性にも優れ、シリコン塗料などと比較するとツヤがはるかに長持ちします。具体的に見ると、シリコン塗料が8~10年前後で20%光沢が減少するのに対して、フッ素塗料のほうは20年経っても光沢の減少は10%程度です。
◇耐熱性も高い
耐熱性も高いため、紫外線や外気の熱から住宅を守る効果が期待できるのもフッ素塗料の人気の理由といえます。フライパンのコーティングにも使用されることからも分かるように、フッ素塗料の耐熱性は260〜600℃ともいわれています。一般塗料の耐熱温度は80〜100℃程度ですから、高温下でも被膜が剥離しにくいフッ素塗料は、大切なマイホームを保護するという点では理想的な外壁塗料です。
フッ素塗料での塗装が適した場所
フッ素塗料はさまざまな優れた性質を併せ持っているため、家の中でも劣化が早い屋根や雨樋(あまどい)、軒天(のきてん)、破風(はふ)などといった付帯部分にも好んで使用されます。
◇屋根
雨や雪が直接当たり、1年365日紫外線にさらされている屋根は、住宅家屋の中でも最も劣化が早い部分と言われており、耐用年数も短いのが特徴です。外壁と同じ塗料を使用していても、屋根部分だけ先に劣化してしまうため、屋根のみにフッ素塗料を施す家庭もあります。
外壁にフッ素塗料を使用した場合の耐用年数は12〜15年、屋根でも10〜12年が一般的です。フッ素塗料は分子同士の結合が非常に強く、強い紫外線を長時間浴びても色あせしにくい点がメリットです。
山口県は概して温暖な気候とはいえ、日本海側の一部では冬には雪が降ることもあるため、耐候性に優れたフッ素塗料で屋根を塗装しておけば安心です。
◇付帯部分
屋根回りの軒天や破風 、雨樋、鼻隠し(はなかくし)、笠木(かさぎ)、水切り、幕板(まくいた)といった付帯部分も、屋根と同様に雨・雪や紫外線の影響を受けやすい箇所です。そのため、フッ素塗料を使用するとメンテナンスがかなり楽になります。
特に屋根の、外壁より出ている部分である軒天や雨樋などは、雨風の影響をダイレクトに受ける部分です。このような箇所は、水漏れしないようにフッ素塗料で仕上げておくと家を長持ちさせるのに効果的です。
外壁や屋根、付帯部分をすべてフッ素塗料で塗装するとなるとかなりの費用がかかりますが、予算があまり取れないときは屋根と付帯部分だけにフッ素塗料を使用するという方法も考えられます。
フッ素塗料は、高い耐久性、耐候性、防水性、親水性、防カビ性など、優れた特性を持つ高性能な塗料で、住宅や高層建築、調理器具、航空機など幅広い分野で使用されています。その主成分であるフッ素樹脂は、蛍石を原料とし、高い耐候性や光沢を備えています。
特に親水性によるセルフクリーニング効果で汚れを防ぎ、防カビ性や防水性で住宅を劣化から守るなど、多くの利点があります。また、耐用年数が15年以上と長いため、塗り替え回数が減り、長期的には経済的です。紫外線や高温に強いことから、屋根や付帯部分など、特に劣化が進みやすい箇所に適しています。
一方で、フッ素塗料には高価格、ひび割れに弱い、艶消し仕上げができないといったデメリットもあります。硬い塗膜のため、モルタルやコンクリート外壁ではひび割れのリスクが高くなる点に注意が必要です。
外壁、屋根、付帯部分をすべてフッ素塗料で仕上げると高額になりますが、劣化の早い箇所に限定して使用することで、コストを抑えつつ住宅全体の保護性能を向上させることが可能です。フッ素塗料は、初期費用は高めですが、その耐用年数の長さや美しい光沢の持続性を考慮すると、長い目で見て大変経済的な選択肢と言えます。
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